「あなたね、転職したいんだったら毎日毎日5~6通は履歴書を書いて面接に臨みなさい!写真も、現像は安くてもいいから撮影をきちんとした人に撮ってもらいなさい!」
私にはこのアドバイスは馬耳東風でした。
とても的確なアドバイスですよね?それなのになぜ私には響かなかったのでしょう。
全体像を見てみましょう。飲み会での出来事です。会話内容はだいぶ省略していますが以下の通り。
「最近どう?」
私「可もなく不可もなくですねー」
「らぶさんはやりたい仕事とかないの?」
私「いやー特にこれと言って。ああでもなんか転職サイトとか見てると思うんですけど、キャリアカウンセラーっていうのかな?自分が転職するというより、転職する人を応援する仕事に興味がわきましたね。」
「ああ、いいねー!いいよね転職サイト。」
・・・この会話をしている最中に突然、間に割りこんできた別の女性が冒頭のアドバイスをしてくださったのです。
ご理解いただけますでしょうか。そもそも私に
転職するつもりも予定もない
という事が。
しかも悪い事に、戸惑って曖昧な受け答えをしている私を見て、流れを読んでいなかった別の男性が
「人のアドバイス聞いても、行動しない人ってのは結局何にも変わらないんだよなー!」
と野次を飛ばす始末。アドバイスどころか誤解され大迷惑を被った次第です。
どんなに正しい事を言っていても、相手に必要のないアドバイスは雑音以外の何物でもありません。
「稼げなくても自分のやりたい事がやりたいから起業する!」という人に
「大企業に就職するとっておきの方法」を教えても。
「結婚したい!子供が欲しい!」と願う女性に
「一生独身でも苦労しないキャリアの積み方」を指南しても。
「競馬で勝ちたい!」と思ってる人に「正しい馬の乗り方」の指導をしても。
ジャンルが一緒でもなにか違う。
どうしてもそっちの方向に導くことを使命と思うのなら、その過程の道筋までも指し示す必要があります。
そうではなくただ単純にこっちの方がいいと思ってのアドバイスはただ一個人の思い込みであって、受け取る側からしたら弊害以外の何物でもありません。
アドバイスは、どんなに優れていても、相手が受け入れてくれる体制が整っていないのであれば無駄になります。
こんなに丁寧にアドバイスしてやってるのに!!では、ただの独り語りです。
アドバイスもれっきとした「人間同士の対話・会話」である事を忘れないようにし、相手にとって最良の方法を一緒に探って行けたら、喜びも倍増しますよね。